
学校説明会に4400人
都立九段高校が母体校となって発足する千代田区立中高一貫教育校の開設準備が、平成18年春開校に向けて本格的に始まった。4月には区教委の中等教育学校開設課に担当部長として桑野勝氏が着任、スタッフ15人の先頭に立っている。
千代田区への移譲問題は平成14年5月、区立九段中学校と合わせて中高一貫教育校を作りたいとして都に九段高校の移譲を求めたのが発端。都教委と区が協議する中で菊友会は都立校としての存続を強く要望したが、都教委は14年10月、九段高校の伝統・校風の継承を条件に千代田区への移譲を決定した。
移譲条件をより具体的に詰めるため、都教委、千代田区教委、九段高校、菊友会の4者による検討委員会が作られた。検討委員会は5回の会合の結果、(1)母体校は九段高校とし、中等学校の前半は九段中学の実績に配慮する、(2)校歌は九段高校の校歌を継承し、校旗・校章は九段高校のものをベースに検討する、(3)伝統行事は存続し、行事歌も残す−などを骨子とする条件をまとめた。「都教委及び区教委はこの条件を遵守するものとする」とも明記されている。
平成15年度からは千代田区の中等学校評議会が発足、準備が具体化した。昨年の11月定例区議会では校名を「千代田区立九段中等教育学校」とすることが決まり、今年3月の保護者を対象にした学校説明会には募集定員160人に対して予想を大幅に上回る4400人が参加、公立の中高一貫教育への関心の高さを物語っている。今春開校した都立白鴎高校付属中学校には、定員の14倍の志願者があったという。来春の入学者選抜は2月3日と予定されているが、九段と白鴎のほか、両国、小石川、都立大付属の3校もこの日に入学者選抜検査がある。
校舎は現在の九段高校の校舎と、道路を隔てた北隣に建設中の6階建ての新校舎を使用する。来春は区立中等学校の1年生が入学、現九段中学から2、3年生が編入されるが、都立九段高校最後の生徒も入学する。その生徒が卒業する平成21年3月までの3年間は区立中高一貫校と都立九段が同じ校舎に併存し、校長も区立と都立の2人いることになる。
菊友会としては都立九段の伝統継承に重大な関心を持っているが、区教委学校開設課の桑野担当部長は「伝統を形だけ受け継ぐのではなく、それに込められた心を様々な交流を通じて受け継ぎたい」と話している。
千代田区立中高一貫校には「声に出して読みたい日本語」などの著書で知られる斎藤孝・明大教授をゼネラルマネージャー(GM)として迎え、教員選考やカリキュラム作成などについて指導・助言を受けることになっていたが、人事権や斎藤教授が開発した教材の著作権をめぐって調整が難航、GM就任は見送りになった。今後は自由な立場からの助言を受ける。