
2009年10月21日夕刻、九段校舎屋上に生徒たちの声が響いた。その声は、日没直後という時間帯も手伝ってか、普段入ることができない屋上という未知の領域に踏み込んだ興奮めいた響きだった。
ガリレオが初めて望遠鏡で天体観測を行ってから400年となる今年、世界天文年としてさまざまな天文イベントが行われている。九段天文部も何とか復活させたいと願うそんな折、九段中等教育学校の理科の先生から、「地域の方むけに学校の望遠鏡を用いた観望会をしたいので、ドームの望遠鏡の使い方を教えて欲しい」との依頼が舞い込む。僕らはすぐ、観望会の際に手伝ってくれる生徒を対象に「第0回観望会」として、ミニ観望会を開催した。
まず教室で簡単な解説。その後、屋上へ移動し、小型望遠鏡とドームの望遠鏡による木星の観望会。冒頭の歓声がわき上がる。屋上に出たときに、「天文部作りますっ」と宣言してくれた生徒がいたのは心強かった。小型望遠鏡での木星の導入体験や、ドームの巨大な望遠鏡を用いた観望、東京の真ん中で木星の縞模様や衛星が見える事実は刺激的だったらしく、望遠鏡を覗いた生徒の口々から感嘆の声がもれた。
将来的には、九段の天文部の生徒が観望会を運営し、天文部の生徒に星を見せてもらった小学生が九段に入り、また地域の小学生に星を見せて・・・こんなサイクルの実現を願って止まない。