
10月24日、九段高校は2、3年生 560人を対象に進路講演会を行いました。先輩から実社会での経験を聞き、生徒が進路を考えるヒントにしたいとするこの企画、今回は10年毎に転身を重ね、スーパー人生を送っている稲坂良弘氏が講師を務めました。
稲坂氏のプロフィール
■10代…学生。学生の間にどこまで出来るかと、高校では演劇部で脚本・演出・出演に熱中。大学時代は早稲田大学の演劇学科と、劇団文学座付属の演劇研究所とのダブルスクール。九段の部室にも足繁く通い、脚本・演出で、九段演劇部に東京都演劇コンクール優勝をもたらしました。
■20代前半…俳優。「舞台、テレビに出てみよう」と劇団に属し、NHKテレビドラマに出演。■20代後半…子供劇の脚本作家。ヒットを飛ばすことを目指し、5年間で25000枚も執筆し、世に残る大ヒット「カエルのケロヨン」を生み出しました。氏は日本でカエルをキャラクターにした初の人。偉大なひらめきの基が高校の夏休みの課題でした。「誰もが知っている本の感想を書いても人と比べられるだけ。先生が知らない本を探そう」―「そうだ、あの時、図書室の古い蔵書の外国童話に、カエルが出ていた! 」
■30代…花形CMディレクター。30年来、今も続いているお線香「青雲」のCMを始め300本のCMを企画、制作します。
■40代…広告会社と業界団体役員。広告業界を極めました。
■50代…香道の専門家。人生後半にやるべきこととして「日本文化」に的をしぼります。
■60代…香り文化の伝道師。430年続く老舗・香十の社長に就任。銀座から世界に日本の香り文化を発信しています。
絵に描いたような見事な転身を「この道、幾筋もの人生」と稲坂氏。しかし輝かしさの裏には、転向への不安を断ち切る決断、地道な努力がありました。「いつも人との出会いが、次の舞台を引き寄せた。チャンスには過去の職業を断ち切ってチャレンジに徹した」と言います。
どの舞台でもオンリーワンになろうと努めた稲坂氏。やりたいこと=得意技で楽しく生きるためには、(1)頭を使う(2)体を使う(3)得意分野に特化して時間を使う(4)出会いを大切にする(5)チャンスは逃さない(6)感覚を磨く。一つひとつ具体的な方法や事例を出して分かりやすく、1時間たっぷり後輩たちに伝授しました。
質問の時間では、生徒は、難解な部分の問い直しや、「年収は?」「皆がオンリーワンを目指したら世界はどうなる?」など、正直な気持ちをぶつけ、進路講演は最後まで真剣な空気に包まれました。
(田ノ倉)