
名曲“はじめてのチュウ”が実川君の作詞・作曲・歌になる作品だと知ったのはまったくの偶然だった。まだ子どもが小さいころ見ていた大好きなテレビアニメ「キテレツ大百科」のテーマ曲で、最後に流れるキャスティングのなかに名前をみつけたのだ。エレキバンドをやるやつはまだ不良視されていた高校時代。九段で一緒に結成した“マミローズ”が4年の活動のあと解散し、キャル(仲間内ではそう呼ばれていた)は“ハロー・ハッピー”“マギー・メイ”とグループを変えプロデビューした。
僕が社会人になってからは彼の登場はいつも突然だった。何気なく見ていたテレビ画面に現れたり、すれ違った自動車のラジオから歌声が流れてきたり。最近同期会で会うようになった彼は、カラオケも、再結成した「親父バンド」にも参加辞退。いわく、ちっとも気分転換にならない。さすがにプロである。昔のバンド仲間ではただ一人音楽業界で飯を食っている自慢の友人である。
(新井喜勝・高19)