菊友会通信 - 菊友会大会などの会員情報を発信

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第一東京市立中学校 東京都立九段中学校 東京都立九段高等学校

最終更新日:2008年11月21日

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2006年07月01日 更新

引き継ぎたい愛校心 特色ある学校めざせ!都立九段・区立九段・菊友会トップ3人座談会

4月に東京都立九段高校の校長に就任した山崎正己校長、九段高校を受け継ぐ千代田区立九段中等教育学校の賀澤恵二校長、5月の菊友会の評議員会で選任された桑田芳郎会長の3人による座談会が5月25日、九段会館で実現した。座談会には九段高校の照井千秋副校長、区立九段中等学校の信岡新吾副校長、菊友会の高橋直人理事長も参加した。座談会では九段高校の伝統や、発足して間もない区立九段への期待などが活発に話し合われ、菊友会と学校とが協力関係を発展させて行くことを確認した。

[出席者]
東京都立九段高校
 山崎 正己校長
 照井 千秋副校長

千代田区立九段中等教育学校
 賀澤 恵二校長
 信岡 新吾副校長

菊友会
 桑田 芳郎会長
 高橋 直人理事長

司会=岡田 肇・菊友会副会長



東京都立九段高校
山崎校長
東京都立九段高校
照井副校長
千代田区立九段
中等教育学校
賀澤校長
千代田区立九段
中等教育学校
信岡副校長
菊友会
桑田会長



男っぽいイメージ様変わり
桑田会長両校長のご着任まことにおめでとうございます。OB会としても心からお祝いします。
−まず、九段高校に対して今までどのようなイメージをお持ちになっていたか、という点からお伺いしたい。
山崎校長私も都立高校の出身。九段高校には剣道の湯野正憲先生にお世話になった。質実剛健というか、男っぽい学校という印象が強く残っている。着任してみると女生徒がたいへん多い。イメージとはかなり違うと実感している。
照井副校長水褌を締めて遠泳をやっていることぐらいしか知らなかった。コース制に移行した学校の中で九段はそれに成功した数少ない学校という知識はあった。
賀澤校長私は昭和47年に教員になった。その春、赴任校に行く前の研修があり、会場が九段だった。門構えや階段教室など学校の雰囲気に極めて重厚なものを感じ、こういう伝統のある学校に配属されるのはどんな教師なのだろうかと思った。最近の九段高校には都立の中堅進学校というイメージしか持っていなかった。平成9年から都立高校の改革が始まった。ここ数年の九段の動きを見ると、様々な改革の努力をされたのだと思う。
信岡副校長教員になってから研究会などで何回か九段に来たことがあり、伝統は感じていた。初任校は島の学校だったので、野球部にはお世話になった。夏の大会前に尽性園で試合前の調整をさせていただいた。区立の中等教育学校が九段高校の伝統を引き継ぐことをきっちり果たして行かなければならない。喜びであるとともに責任も感じている。
山崎校長私も賀澤先生と同じで、この学校の校長先生はたいへんな人なのだろうと思っていた。これから3年間、進路指導をきちんとやらなければ引き継げないと思う。
中高6年制で本当の「ゆとり教育」を
−九段が都立から区立の一貫教育校になるかもしれないと同窓会が新聞紙面で初めて知ったのは約4年前。同窓会にとっては事件だった。その時のご感想は?
桑田会長なぜ都立のままではないのかと問題になっていたようだし、私もそう思ったが、今となっては6年教育に意義があると思っている。「ゆとりの教育」は響きはいいがこんなに心配なものはない。6年制になると高校受験がないからのんびりできると思うのは間違いで、ゆとりとはそんな意味ではないと思う。感受性が強く人間形成の上で一番大切な年頃の6年間に同じ校風、同じカルチャーの中で教育されれば、勉強にプラスできるものが生まれる。区立でも都立でもいい。それよりも内容の問題だ。本当の意味でのゆとりある教育を6年間できる今度の改革はまことにいいことだと思う。
山崎校長私も中等教育学校になることで九段高校は前へ向いて変わって行くだろうと思った。ゆとりとは物事を考えるゆとりであって、勉強時間が少なくてよいということとは違う。主体的に勉強することは今以上に必要だ。考えるゆとりは教師が与え、勉強は2倍3倍とやらせないとむずかしい。一貫校になることで九段高校がどう前向きに変わるのかととらえないと……。教職員が一丸となって前向きに九段高校の良さを伝えて行くことが私の仕事と認識している。 
賀澤校長新聞に出る前から都教育委員会で論議があった。私は都教育庁の高等学校教育指導課長だったが、都の教育委員の方々が九段高校に対してそれぞれの思いを抱いて論議されていたことを鮮明に思い出す。移譲条件を決める検討委員会のメンバーでもあったが、そこでも伝統の継承が論議された。最初はここまで決めなくてもという気持ちがあったが、校長になってなるほど卒業生皆さんの思いが移譲条件に詰まっていると感じている。
果敢なチャレンジ精神
−九段の伝統とは何か。皆さんの思いを聞かせてほしい。
賀澤校長一番に挙げたいのは愛校心だろう。卒業生だけでなく今の子供たちも自分の学校を本当に愛していることを卒業式に出て目の当たりにした。子供たちが至大荘行事や学校での様々な教育活動など本当に喜んで3年間を送ったのだと率直に思う。市立一中が東京市立第一中学ではなく、第一東京市立中学としたのはなぜか。私の解釈だが、当時すでに東京府立中学があり、それに対して市立の中学ができた。うちの中学は府立に負けない、うちの教育内容は府立中学に劣ることはないという気概が、当時の成田初代校長の文言や菊友会のお歴々の発言に現れている。この気概こそ九段高校からわれわれが受け継ぐべき伝統ではないか。強い愛校心に基づく果敢なチャレンジ精神をぜひ引き継ぎたい。九段のよき伝統は全面的に継承するが、現在の九段高校の引き写しの学校にはしない。
桑田会長確かに九段には愛校心が強い卒業生が多い。私は私立の中学から受験したが、中学の先輩からこんなに自由な校風の学校はない、ぜひ九段を受けるよう強く勧められた。去年が卒業50周年で同期会にすごい人数が集まった。他の高校を出た人の話を聞くと、あそこまでまとまりよく、校歌を歌い、至大荘歌を歌う、こんな例はない。
山崎校長先日の体育祭で感じたことがある。最後に生徒全員が肩を組み、校旗を見ながら校歌を熱唱する。これはほかの学校では見られない。これを育てている何かが伝統であり、中等教育学校に引き継いでいただける一つなのだろうと痛感した。校歌を胸はって歌える、生徒がそれを誇りにしている、その辺に愛校心につながる何かがあるのだろう。
桑田会長私の高校時代の都立高校は受験校で、東大や早稲田とか慶應に何人入るかなど、受験が中心だった。しかし九段は、知育だけでなく徳育、体育の3つのバランスがよくとれた教育学校だったと思う。この伝統をぜひつないでいただきたい。
至大荘行事の継承は両校一体で
−卒業生にとって最大の思い出となっている至大荘行事についてうかがいたい。
桑田会長団体生活を初めて体験する機会だった。同じ釜の飯を食う共同生活で愛校心がわく基礎が作られたと思う。つい先日、1989年に九段を卒業した台湾の人の結婚式に呼ばれた。彼のプロフィールに至大荘のことが出てきて、そこで鍛えられたことがその後のインターナショナルな仕事をする基礎になったと紹介され、大いに感激した。
山崎校長至大荘行事は昔から知っていた。私も保健体育科の人間だから遠泳も経験している。遠泳は泳ぐことよりその教育的価値を見いだすことだと思う。1人で泳ぐわけではなく、自分と縦と横、前と後ろの関係を十分意識しながら泳ぐわけで、そこに教育的価値がある。それから先輩方から教えを請う、その中から模索しながら自分の価値観を作ってゆく。そういうところが大事だと思う。
桑田会長これも伝統といえると思うが、九段高校は先生と生徒の距離がたいへん近い。1年生の最初に至大荘に行って先生とうち解ける、その効果が出ていると思う。
賀澤校長先ほど桑田会長がいわれた知、徳、体の教育は至大荘にその3点がすべて集約されていると思う。高校1年生から海で自分自身を奮い立たせて遠泳に参加する行事を聞き、移譲の条件だからやるのではなく、われわれの教育目標を実現するために至大荘行事はぜひやりたいと考えている。
−九段魂を引き継いでいただきたいということが移譲の条件だった。どのようなやり方で引き継がれるのだろうか。
賀澤校長至大荘行事は九段高校と九段中等学校が一体とならなければできない。1年空白ができてしまったら永遠にできない。至大荘行事のみならず教育活動全体で両校が一体となった関わりを持たなければ至大荘行事は実現できない。重要なのは学校が一体となることだ。至大荘行事に関していえばわれわれに出来ることはすべてやる。お金も出してもらう。人手が必要なら全教員を出す。子供たちを至大荘行事の準備段階で鍛える必要があるなら全力をあげて鍛える。あとは九段高校側にご協力をお願いしたい。
山崎校長一緒に活動することで魂が伝承して行く。教員が同じ方向を向かないとできない。向かせるのが私の仕事であり、全力を尽くす覚悟だ。そういう意味で中等教育学校の活動は全力でバックアップする。
文武両道備えた紳士淑女輩出を
−発足した千代田区立九段中等教育学校への期待をうかがいたい。
桑田会長変革の時こそチャンスだ。企業でも学校教育でもこれは同じだろう。先輩には都立にこだわりがあるが、都立の中高一貫校が10校生まれ、九段が11番目になるだけでなく、都立とは違った特色をどのように出して行くか、これがチャンスだと思う。特色を出すことで父兄も生徒も九段に行きたくなる、そういう学校になってほしい。では、特色とは何か。ひとことでいえば真の意味の紳士淑女を輩出していただきたい。文武両道を備えた紳士淑女を卒業させる学校ということでがんばっていただきたい。
山崎校長一つは進学の問題だ。進学を保証してあげることと、子供たちが主体的に活動しながらやって行くことが中等学校の中でどうなって行くか。取り入れることは取り入れ、鍛えるべきところは鍛えて、その上で次のステップを期待したい。
賀澤校長九段中等教育学校では今までにない学校運営をしている。今一番考えているのは「第一たれ」という成田校長の言葉だ。都立を凌駕する学校を作る。都立に対して果敢に挑戦している。これだけの教育活動をしている学校はほかにない。進路については大学を出た後にターゲットを絞っている。大学を出た後にどんな生き方をするのか、この生き方をつかんだ時に自ずと出てくる一定の大学に必ず入れる教育をしなければならない。キャリア教育を充実させる、その一環として確かな学力をつける。同時に豊かな人間性を育てるために子供たちに様々な体験をさせる。千代田区ならではの教育資産だが、様々な企業が様々な提供をしてくれる。たとえば銀行のディーリング・ルームに子供たちを入れたり、大金庫に子供たちを招いて1千万円の札束に触れさせたり。これまでの学校ではできなかった教育を千代田区なら様々に展開できると思う。進学に絞れば完全習熟度別少人数指導をしている。学校説明会では保護者に4段階に分けた最上段階の生徒は必ず難関の国公立に入れますといっている。
菊友会のバックアップ期待
−同窓会に望むことをうかがいたい。
賀澤校長昨年11月に千代田区に来て以来、高野前会長をはじめとする菊友会の皆さんには様々なご支援をいただいた。そのために4月に開校できたのだと思っている。節目節目の時にどういうわけか高野前会長が現れて道を開く役割を果たしていただいた。このことは本当に感謝している。伝統を継承するためにも教育実践にご協力をいただきたい。先日も伝統継承のホームルームに来ていただいた。子供たちが何かを感じて伝統が継承されるのだと思う。これからも九段中等学校に大いに関わっていただきたい。
山崎校長教育活動をバックアップしていただきたい。様々なところで活躍されている先輩が多くおられる。これは教育としてすごい力だ。これを活用しない学校はない。進路指導などでOBの力を貸していただき、昔の九段のことを話していただくことで伝統とか九段魂が引き継がれて行くと思う。
−では同窓会として学校に望むことは。
高橋理事長OBとして学校と何のつながりもないOB会は魅力がない。同時に魅力ある学校であってほしい。魅力ある学校とのつながりが持てるのはOBとしての喜びでもある。卒業生が胸をはれる学校になるためならOBとしての協力は惜しまない。要望をお寄せいただきたい。
桑田会長変革期は評論家が増えてくる。企業でも学校でも変革期はトップダウンのリーダーシップが大事になってくる。両校長とも教育理念や教育目標に関するコンセンサスをきちっと得て、それをトップダウンでリードして行くことが大事だ。菊友会としても誇りある卒業生であるためにできることはお手伝いしたい。そのためにもコミュニケーションをとらせていただく。ご苦労だと思うが本日表明されたことをトップダウンで実行に移していただきたい。大いに期待している。

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