
齊藤と久し振りに会ったのは2010年夏、あのやたらな暑さの最中だ。私は何故か選挙戦に巻き込まれ2ヶ月ほど熱海で過ごすハメになった。時折懐かしそうに昔話をする彼はとても市長には見えなかったが、再選を果たし2期目の市政に取り組み始めた。昔は奇異に見えたその性格も政治の世界で生きるには有効に働いているようである。
彼とは中学・高校と同級だった。当時からその行動言動には不思議な空気を醸していたのだが不思議と嫌われることはなく、いつも気づくと一緒に遊びまわって笑いの提供者となることも多かった。柔和と言うよりは鈍感なほうで、なにかとテンポが遅れ気味であったような気がする。「のほほ〜ん」という表現がしっくりするかもしれない。加えてバカが付くほどの正直である。
熱海市民にも1期4年で正しいことをできる人間だと理解してもらえたようだ。1期目が穏やかだった訳はない。よそ者と呼ばれ続けて迫害に耐えた。ようやく苦労が報われたのかも知れない。東工大を出て国土交通省に入り、しばらくすると官僚をやめ留学、民間会社でもまれたりもした。そんな広い経験も生きているに違いない。市長に対してお前呼ばわりをできる為にもまだ暫くは現職を続けて欲しいものだ。いや、銅像を建ててもらえるまで続けろと私は彼に言っている。
(竹内義雅)